2023年4月から5月にかけて、ビットコイン（BTC）ブロックチェーン上での新たなトークン規格として「BRC-20」トークンへの注目が急速に高まりました。従来、NFTやトークン発行の主流はイーサリアム（ETH）の「ERC」規格が中心でしたが、市場価値が最も高いビットコインネットワーク上でもNFTが作成できるようになったことで、大きな話題を呼んでいます。
BRC-20とは何か？
BRC-20は、ビットコインブロックチェーンを活用して流通する新しいトークン規格です。この規格は2023年3月にTwitterユーザーのドモ氏によって開発され、ERC-20に倣った名前がつけられました。しかし、ERC-20と比較して機能は非常にシンプルで、「デプロイ」「発行」「転送」の操作のみが可能です。また、ERC規格のようなスマートコントラクト機能は備えておらず、分散型金融（DeFi）との互換性もありません。
オーディナルズとビットコインNFT
BRC-20は、「オーディナルズ」と「インスクリプション」というビットコインコアの開発者Casey Rodarmor氏が提案した手法によってトークンが発行される規格です。オーディナルズは、ビットコインの最小単位であるサトシに個別の番号を割り振り、それに情報を紐付けることでインスクリプション（ビットコインNFT）を生成します。BRC-20トークンは、このオーディナルズに割り振られた番号にテキストファイルを紐付けることで作成されます。
BRC-20の課題と批判
BRC-20トークンの普及により、ビットコインブロックチェーン上の取引が活性化した一方で、一時的にビットコインの手数料が高騰するスケーラビリティ問題が発生しました。また、スマートコントラクトに対応していない点や、ビットコイン手数料の高騰が問題視されています。
将来性と展望
BRC-20やビットコインNFTに対しては、ユースケースの限定性や技術的な課題が存在しますが、新規格の開発や、ビットコインブロックチェーン上でのNFT市場の拡大など、潜在的な可能性も指摘されています。また、ビットコインNFTのフルオンチェーン特性は、データの恒久性を保証する点で大きな魅力となっています。
ゆうなぎの考察
BRC-20トークンやビットコインNFTは、デジタルアセットの新たな可能性を開拓していますが、スマートコントラクトのサポートなど、今後の技術的な発展が期待される領域です。暗号資産市場は常に変化しており、新しい規格や技術が登場するたびに、そのポテンシャルと課題が浮かび上がります。投資家や参加者は、これらの新しい動きを慎重に見極めつつ、将来性豊かな領域への理解を深めていくことが重要です。
