えるしあです!
本記事ではブロックチェーン相互運用性プロトコル「LayerZero(レイヤーゼロ)」について、その概要から仕組みと将来性までを詳しく解説します。
Web3.0業界の市場規模拡大に伴いブロックチェーンの種類も多様化していますが、LayerZeroがどのようにこれらのネットワークを結び付け、ブロックチェーンエコシステムを進化させるのかを見ていきましょう!
革新的な相互運用性プロトコル「LayerZero」の概要
LayerZeroは複数チェーン間のメッセージ交換を低コストかつ安全に実現する相互運用性プロトコルです。
これは仮想通貨・ブロックチェーン業界全体の拡張性と相互運用性の向上に寄与すると期待されていて、LayerZero Labsはカナダに拠点を置き、Bryan Pellegrino氏・Ryan Zarick氏・Caleb Banister氏の3人によって共同設立されました。
これにより、世界中のDapps開発者はLayerZeroを使用してアプリに複数の異なるチェーンを統合し、オムニチェーンアプリにアップグレードすることが可能となりました。
また、2022年3月には複数の大手VCから約165億円を調達し、Web3.0業界に大きな革命をもたらす有望プロジェクトとして注目を集めています。
従来の「クロスチェーンブリッジ」の仕組みと課題
従来のブロックチェーン技術は単一のネットワーク内でしかスムーズな受送信が出来なかった為、異なる規格のネットワーク間の相互運用には課題がありました。
そこで利用されてきたのが「クロスチェーンブリッジ」(=アトミックスワップ技術)です。しかし、ブリッジは安全性やコスト面で課題を抱えており、ハッキングに対する脆弱性や、高い手数料が問題となっていました。
さらに、チェーンのペアごとに独自のインターフェース・コードが必要で、汎用性が低いという短所もあります。
LayerZeroの仕組み
LayerZeroは「Oracle(オラクル)」「Relayer(リレイヤー)」という2つの独立したオフチェーンシステムと「Endpoint(エンドポイント)」と呼ばれるオンチェーンシステムを中心に機能します。
Oracleは送信元チェーンからのリクエストを受信/ブロック情報を送信先チェーンへ伝達し、その上でRelayerはメッセージの送受信を行い、トランザクションデータとして記録します。
最後にEndpointが双方のチェーン上に常時連動し、Oracle・Relayerへのブロック情報送信やメッセージの検証することでそのトランザクションデータの正当性を証明する仕組みです。
LayerZeroはこれらの要素を活用して複数チェーン間のメッセージングを実行し、トランザクションの有効性を保証します。トラストレスな仕組みを採用しているため、中間者による一元管理が不要で、コスト面でも優れていると言えるでしょう!
LayerZeroが提供する「OFT規格」とは
LayerZero LabsはLayerZeroのメッセージングインフラ上に構築されるトークン規格『OFT』:Omnichain Fungible Tokenを提供しています。
OFT標準でトークンを発行することで、LayerZeroがサポートするあらゆるチェーンを効率的にエコシステムへ統合可能となり、Burn/Mint方式を採用しているOFT規格は単一のインターフェース・コードで多種多様なチェーン間でのトークン転送を実現します。
OFT規格を活用する利点は複数ネットワークにおける互換性・セキュリティの向上・手数料の削減・流動性の担保・拡張性の向上があります。
NFTにオムニチェーンを実装する「ONFT規格」
LayerZeroはNFT向けのトークン規格『ONFT』:Omnichain Non-Fungible Token規格も提供しています。
ONFT規格でNFTを発行すると、ラッピングやミドルチェーンを使用せずにシームレスかつ安全なNFT転送が可能となります。ONFT標準が普及すれば異なるチェーン間でのNFT利用がスムーズになり、市場に大きな影響を与えるでしょう。
例えばNFTコレクションの「Lil Pudgy Penguins」はONFT規格を使用してNFTクロスチェーンを実装しており、異なるネットワーク間での移動が可能となりました。
これはONFT規格で発行されたNFTの相互運用性・セキュリティ・費用対効果の向上などの利点を証明した大きな成功事例です!
えるしあの考察
Web3.0市場の需要は今後も増加し、ネットワーク間の相互運用性を改善する必要性が高まります。
LayerZeroは従来のブリッジが抱える課題を解決し、あらゆるチェーンを単一のインターフェース・コードで接続できるプロトコルとして市場の発展に大きな価値をもたらします。
LayerZeroによって業界全体の相互運用性が向上し、異なるチェーンをまたいだ取引が活性化すれば市場全体の活性化に寄与するでしょう。
以上、LayerZeroの概要と仕組み、OFT標準、ONFT標準について詳しく解説しました。今後もLayerZeroの進展に注目していきましょう。